アメリカから種子を輸入するのが大変だった話 #6

#5の続き

 

朝六時、まだ真っ暗のサクラメントの駅でカイルに別れを告げた私は、アムトラックという2階建ての長距離電車で半日以上かけカリフォルニアを縦断し、ロサンジェルスの空港に向かいました。ファーマーズマーケットで大量に買っておいたデーツを食べながら車窓の景色を眺めるのはなかなかいいものでした。

サンフランシスコを通過してしばらくすると、サリナスバレーという、アメリカの生鮮野菜の大部分を供給している土地に入りました。サリナスバレーはまさに野菜を作るためにあるような肥沃な土地で、西海岸の海流から生み出される安定した気候によって、通年新鮮な野菜が収穫できるらしいです。

とはいえ、これはサリナスバレーに限ったことではなく、カリフォルニアの野菜や果物はどれも非常に美味しかったです。

トマトとイチゴが特に。

ちなみに、サクラメントのファーマーズマーケットのイチゴ屋に聞いたところ、彼らは冬でもグリーンハウスを使わずに露地でイチゴを育てているということです。園芸愛好家の私としてはあの気候は羨ましい限りです。このことについては機会があれば別に書きましょう。→カリフォルニア、サクラメントのファーマーズマーケット事情

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サリナスバレーの農地。2本の低い山脈に挟まれた平地が、ほぼすべて農地として使われています。広大だけど整然としすぎていて、ある意味無機質的で寂しげな農地
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シェールオイルの井戸。カリフォルニアにもありました!
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アムトラックの長距離列車は、タバコ休憩用なのか10分ぐらいの長い停車がしばしばあります。ホームでは喫煙可能です。
南に行くにつれ牧草地が多くなってきました。この辺の景色が私は一番好きかな

景色がだんだんと砂漠っぽくなってきたところで私は寝てしまい、気づいたら夜になっていて、電車はもうロサンジェルスに着いていました。

アムトラックの駅からLA国際空港までは高速道路で10分ぐらいの距離があり、その間はバスで移動することになるのですが、そのバスの発券機がほんとにわかりづらくて、10秒ぐらい画面を睨んでいたら、背の低い黒人おじさんが券を買うのを助けてくれました。正確に言えば、彼らはあれが商売で、旅行客を半ば強引に助け、おつりをチップとしてもらうという手段で暮らしています。アメリカではそういう人はいたるところにいるので、私はそれをわかっていましたが、帰国するのに数ドルを持って行っても仕方ないと思い、彼に任せました。おつりがお札ではなくちょいと珍しい1ドルコインだったので、お土産用の分はちゃんと奪い返しましたがね!

「俺には子供がおるんや」みたいに言ってたけど、絶対嘘だろーなー。

それにしても、あの発券機はおじさんとグルなのか?というぐらいわかりにくかった(笑)

 

空港に着いたのが夜の9時ぐらい。出発は翌日の昼だったので、それまで空港で仮眠して過ごしました。私が寝ていた椅子の隣には、街にいるのより少し小奇麗なホームレスの人が寝てました。見る人が見れば明らかに空港利用者じゃないのが分かりそうなもんですが、誰も注意はしてませんでした。アメリカのホームレス事情は私が想像していたよりわりと深刻でした。

そんなこんなで、飛行機に乗った後は、ほぼ寝てました。

このあと日本に着いて、検疫の手続きをすることになるのですが、それはまた次回へ。

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