一昔前に、アスファルトの隙間でたくましく育つ「ど根性大根」なるものが話題になりました。
灼熱のアスファルトの照り返しや、人や車による踏み付けなど、幾多の困難を乗り越える姿が人々の感動を呼びましたね。
ところ変わって、当店のタバコ種子生産圃場の近くのアスファルトの隙間でも、逆境に耐えながら窮屈そうに生えている「ど根性タバコ」がいます。
それがこちら!
正確には、ど根性タバコ“達”といったほうが良いのでしょうか。
アスファルトと側溝のふたの隙間、50cmほどの幅に、数本のタバコが生えています。
ここに種を蒔いたことはないので、おそらく、昨年の採種作業中にこぼれた種から勝手に生えてきているのでしょう。
品種の判別は困難ですが、種名はおおよそわかります。
これは多分、花を観賞するための種、ニコチアナ・シルベストリスか、ニコチアナ・フォーゲッティアナのどちらかでしょう。少ししわくちゃな感じや、背が低いことから、そう判断できます。
右のほうに生えている小さいのは、普通のタバコ(ニコチアナ・タバカム)かなあ。
ピーカンの日は灼熱の焼き石みたいに、大雨が降るとちょっとした川みたくなるこの場所で、一年前にこぼれ落ちた種子がちゃんと発芽するのを見ると、「タバコ属の植物たちは強いなあ」としみじみ感じますね。
これを見るだけでも、一部でいわれている「タバコの栽培は難しい」というのがいかに実践に基づいていない妄言なのかがわかります。
それと、これだけ簡単に栽培できる(今回の場合、栽培すらしてない。もう勝手に生えてるw)ということは、「大昔のインディアンたちにとって、タバコは貴重だった」という俗説も、どうやらデマな気がしてきました。
彼らにとって、タバコは「その辺に普通に生えてる草」ぐらいの感覚だったのではないでしょうか?
ど根性タバコのたくましい姿を見て、そんなことを思いましたとさ。