主要農作物種子法とは、米、麦、大豆などの主要農作物の種子の生産や品種改良を都道府県に義務付ける法律で、簡単に言えば、主食となる作物の種子は、ある程度公的な保護のもとで生産するべし、という法律である。この法律を廃止する法案が、今国会に提出されたらしい。
食卓を支えるタネはどうなる?主要農作物種子法廃止を考える(Yahoo ニュース)
種の話だから、鑑賞用タバコの種を販売している立場からひとこと言わせてもらうと、こういう大事なところを民間に開放するより、私が常々言っているように、まずJTを完全民営化し、たばこ製造の参入規制を撤廃するのが先だと思う。
上記記事によると、この法案は、現在公的に運営されている主食の種子の生産・開発事業を民間に開放し、民間の競争意欲によって更なる技術革新を促すことを目的としているらしい。競争原理は昨今の流行なのだ。でもそれなら、主食の種子などではなく、あってもなくても生死の問題にはならないたばこ業界をまず開放すべきだ。
日本の産業を見渡してみれば、おそらく、たばこ業界より競争原理が働いていない業界はない。なにしろ、法律で「JT以外たばこ作っちゃだめだから」と決まっているのだから。
しかしよく考えてみれば、たばこは今ではただの嗜好品であり、独占が始まったころの必需品としての位置づけとはだいぶ異なる。別になくてもそんなに困らないし、市場開放して競争が苛烈になっても誰も死なない。
一方、主要農作物の種子は、たとえば外資系メーカーが参入し好き放題すれば、それはそのまま国民の命に係わるから、仮に市場を開放するにしても、一番後回しにされるべき分野である。
種子とか水道とか、守られべき分野は開放され、逆にどうでもいいたばこなどの分野は全然解放されないダブルスタンダードの裏には、悪い大人たちの意図が絶対にある。そういうのはいい加減やめてほしい。