前回はタバコの発芽と温度の関係について書きました。
そこに添付した画像を見ていて、「ひょっとしたらこれ、タバコの芽の小ささ伝わってないんじゃない?」と思ったので、今回は、定規を当てて撮った写真を載せておきます。
この芽が数か月で2mぐらいにまで成長するのというのは、今の段階では信じがたいぐらいです。でも、ちゃんと大きくなるのだから焦っちゃいけませんよ。
植物は葉で光合成をおこなうことによって自分の体の構成素材となる炭水化物を作っていますから、葉の数が増えれば増えるほど成長スピードは等比級数的に速くなります。逆に、この写真のようにごく小さい双葉が2枚だけの状態から、植え付けに適した10㎝ぐらいの大きさになるまでにはすごく時間がかかります。加えて、春の育苗シーズンは気温が低いので、成長ペースはさらに遅くなります。
なので、我々菜園家はじっくりと辛抱強くこの芽の成長を見守らなければなりません。初めてタバコを育ててみようという人にとっては、この時間がとてもじれったいものになるでしょう。
でも、植物の時間に我々の感覚を合わせるというのは、自然とともに暮らす菜園家にとって必須のスキルです。
植物の成長のペースは、自然の法則を超えて速くなることはありません。デジタルに急かされて生活している我々現代人には、それはとても遅いように見えます。でもこれが本来なのです。スマホの作物育成ゲームみたいに、今日植えて明日収穫できるというようなことはないのです。その代り、植物は毎日欠かさずコツコツと成長し続けます。我々がやることといえば、水をあげて待つことだけです。この時間感覚みたいなものを掴めるようになると、菜園という趣味はすごく面白くなってきます。みなさんにもこの感覚、味わってもらいたいな。