タバコを畑や菜園で栽培する場合、黒マルチがとても有効

「なるべく自然と一体となり、資源を浪費せず、害虫すらも敵としない」

将来、たばこの市場が開放されたときには、そんな理念に基づいてたばこを造って、自ら消費してみたいと思っている。そして可能ならば、それを製品という形にして、多くの人と共有したいとも。

しかし残念ながら、現在、当店の種子生産に欠かせないのは、石油から作られたビニールマルチという資材である。

2019年の採種圃場の様子

出来るなら、落ち葉やワラなどで代用したいところだが、時間とコストを考えると、今はこの石油由来の資材に頼るしかない。

タバコは丈夫だから、土に植えただけでも育つことは育つ。

だが、マルチありとなしの場合を比べると、生育の速さ、管理のしやすさなどで大きな違いが出るのだ。

体感的には、マルチをした方が1.5倍ほど生育が促進されると感じている。

その要因としては、

①地温が上昇する

②地表からの水分の蒸発がなく、土壌水分が一定に保たれる

③草が生えない

という3つがメインになると思う。

中でも特に②の効果は絶大で、何もしない場合と比べて地表近くの根の張りが段違いに多くなる。

③についても、当店のようにある程度の株数を栽培しなくてはならない場合は大きなメリットとなる。

①の地温の上昇に関しては、マルチの色によって違いはあるものの、黒マルチの場合、あくまで補助的な要因にとどまるというのが筆者の実感である。

当店の場合は時間とコストをかんがみてビニールマルチを選択しているが、採算性を追求しない趣味の菜園なら、ワラや落ち葉を集めて株元に敷くだけで、生育は段違いに良くなり、除草の手間もかなり軽減される。

とにかく地表面からの水分の蒸発を防げれば素材は何でもいい。

ぜひ一度試してもらいたい栽培テクニックだ。

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