植木鉢で栽培するタバコ

われわれが一般的に喫煙するタバカム種のタバコは、成長すると草丈2mぐらいになる大型の一年草だ。

植物体が大きく、生育も早いため、要求する肥料の量も多く、化学肥料がまだなかった頃には「タバコ畑の後作には何も生えない」などと揶揄されていたらしい。

とはいえ、肥料の管理をしっかりやれば、土の量に制限のある植木鉢やプランターでも、観賞用としては問題なく栽培することができる。

おすすめの鉢


当店がお勧めする栽培法は、まずこの記事で説明したように育苗してから、30cm径ぐらいの大きめの鉢に植える方法だ。

鉢は、ある程度の大きささえ確保できれば何でもかまわないが、参考までに、私のお気に入りの鉢を紹介しておこう。上の写真に写っているやつがそれだ。

この鉢は、通称“菊鉢”と呼ばれるもので、菊栽培愛好家向けに販売されているものだ。こいつは、何本もの大量の菊を育てる菊マニア用に作られているだけあって、一個あたり400円ぐらいで手に入る。また、黒色が紫外線による劣化を防ぐから、何年も繰り返して使えるだけの耐久性もある。きわめてコスパのいい鉢である。

サイズは小さいものから大きいものまでいろいろあるが、タバコは巨大な植物だから、水切れを起こさないためにも、30cm径ぐらいの大きめのものがいい。

土と肥料


土は、清潔で、肥料分に富んでいて、ある程度通気性があるものなら何でも構わない。

この条件を簡単に手に入れるなら、市販の培養土を買うのが一番手っ取り早い。

使い古しの土があればそれでいけないこともないが、タバコと同じナス科の野菜や、キュウリ系の野菜を育てた後の土をそのまま使うのはあまりお勧めできない。そういった土には、大抵の場合、ネコブセンチュウなどの微細な害虫が高密度で生息しているからだ。センチュウがタバコの根に寄生すると、水分や肥料の吸収が著しく妨げられ、生育は極端に落ちてしまうのだ。

次に、肥料について。

前述のとおり、タバコは巨大な一年草で、肥料の要求量はかなり多い。

そのため、上から下まで大きな葉をつけた、“タバコらしい”タバコを育てるには、30cmの鉢に入る土だけでは肥料分が足りなくなる。なので追肥は必須だ。

私が使っているのは、水耕栽培の農家が使う「大塚ハウス」という液肥なのだが、たいていの人はこんなマニアックな肥料をわざわざ買い求めることはしないだろうから、N/P/Kの三養素がバランスよく配合されたハイポネクス等の市販品を既定の濃度で与えるので十分だ。

使う肥料がなんであろうとも、植物体の様子を見ながら、少量ずつ与えていけば大きな失敗はしないと思う。

もしN/P/Kの三要素だけでは生育が今一つに感じられたら、灰皿のタバコの灰を大匙数杯分ぐらい与えてやればいい。タバコの灰は、当然のことながら、タバコの生育を支えるのに必要な微量元素を含んでいるからだ。

あとは、毎朝たっぷりと水をやることさえ欠かさなければ大丈夫だ。

タバコはそんなに軟な植物じゃないんで。

 

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