ソクラテスの煙草の事務所は、渓流のほとりにある。
昨日の夕方、その川で夕食用の川魚を釣って、そろそろ帰ろうかと、上流へと川を歩いていったら、川原の草むらからカモが飛び出してきた。何事かと思って草むらのくぼみを覗きこむと、鶏のそれによく似た卵が12個産み落とされていた。そこにはカモの巣があったのだ。
私は、まさかそんなところに巣があるなんて思っていなかったから、足元からいきなり大きな鳥が飛び出してきたのに驚いて、釣竿をほっぽって腰を抜かしかけた。誰かに見られていたらかなり恥ずかしい格好をしていたと思う(笑)
昨日はもう薄暗かったのでそのまま事務所に帰って、今日また見に行ったら、雌が卵を抱いていた。
望遠レンズを持っていけばよかったのだが、横着して60㎜マクロだけを持って行ったから、母鳥が卵を温めているところはちゃんと撮れなかった。
迷惑を承知でギリギリまで近づいてみたら、昨日みたいに母鳥が飛び出した。
形や大きさ、色は、スーパーで売っている鶏の卵のSサイズとそっくりだが、こっちの方がややとがっている感じ。
数は12個なので、結構多い。全部孵ったら子育てが大変そうだ。
この辺は蛇が多いのが少し心配だが、この巣は中洲にあるし、いかに大きな蛇でも、さすがにこの大きな卵全部を完食することはあるまい。
私は冬になると狩猟をするから、カモはもっぱら狩りの対象である。
だが、今は猟期じゃないから、彼らはこの森の隣人だ。
卵が孵ったら、ヒナたちの成長を見られるといいなあ。
※ちなみに、マガモは渡りをするので、国内で繁殖することはあまりないといわれているが、巣の近くに頭の青い雄のマガモがいたので、この巣はマガモのものである可能性が高い。当地は山間部で、夏でも結構涼しいから、渡りを横着したマガモがここで巣を作ったのだと思う。