今回は、ソクラテスの煙草で扱っているタバコの種子の保存方法について解説します。
タバコは、ほかのナス科植物と同じく比較的種子の寿命が長い植物ですので、低温低湿の条件で適切に保存すれば数年は発芽能力を維持することができます。当店の種子はほとんどの品種が100粒入り(実際は50%ぐらい多めに入ってます)で販売されていますから、余った種子はこれから紹介する方法で保管していただければ、数年は使い続けることができると思います。
ポイントは湿度と温度
さて、当店では、すべての種子を、下の写真のようなプラスチック容器に入れて皆様に発送しております。これは輸送中の雨や湿気の影響を極力減らすためです。
この容器には、種子とともにシリカゲルを数粒入れてありますので、未開封の状態ならばこのまま低温の場所で保管すれば大丈夫です。
しかし、一度開封してしまうと、空気中の湿気が容器の中に入り込み、この密封容器の特性が裏目に出てしまいます。密封容器は、湿気が入らないという特徴を持っていますが、これは裏返せば、一度侵入した湿気も逃がさないということです。
なので、一度開封してしまった種子は、紙袋などの透湿性のある袋に移し替えて、その袋を乾燥材の入った密閉容器に入れて保管してください。
私がおすすめしている方法は、自作の小さな紙封筒を、大きめのジャムビンにシリカゲルとともに入れておくというものです。
もちろん、ジャムビンでなくても構いません。ジップロックや、海苔の空き缶など、身近に使えそうなものがあればそれをお使いください。シリカゲルは、お菓子などについてきたものを再生して使ってもいいですが、私は1㎏で600円の徳用シリカゲルを使っています。
この瓶を冷蔵庫に入れておくのが最強ですが、このまま室温で管理しても、湿気がブロックされていますので、何もしないより数段良いです。
この方法は、タバコの種子に限らず、ほとんどの種子に使えるやり方ですので、このような保管瓶を「秋まき用」「春まき用」「ハーブ用」と分けて数個作っておけば、塵も積もれば山となるで、かなり経済的だと思います。
私の経験では、上記の方法で保管したニンジンやパセリの種子(せり科は寿命が短い植物の代表)が、3年後にも実用上十分な発芽率を保っていましたから、ナス科などの寿命が長いものでは、下手したら10年ぐらいは保存できるかもしれません。毎年毎年種子を購入するのはかなりもったいないことなのです。
とにもかくにも、湿気をいかにブロックするかが種子保存の要です。それに加えて、できれば低温の方が望ましいのですが、たいていの家庭では冷蔵庫にそんな余分なスペースはないでしょう。なので、密封容器とシリカゲルだけでもお試しいただければと思います。
ダメもとで発芽試験した4年前のタマネギの種がワサワサ発芽した! 低温・低湿で保存すると、短命種子もかなり長持ちするもんです。